失われた意志の力 1/3

今のProjectで自分は意志の力を失っている。
その過程をまとめておきたいと思う。
それを顧みて次の成長へつなげるために、そして今からでももう一度意志の力を取り戻してProjectへ再びCommitするために。
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リーダーとしてアサインされたのは7月の半ば。それまで1週間程度の期間を得た自分は、初めてのリーダーというロールに対して自身の理想像を描いていた。リーダーシップ、コーチング、モチベーション、交渉術、etc…リーダーは自己のみの成功・成長を達成するものではなく、メンバーの成長でありチームの成功を達成するために存在すると考え、これまで自分の中で弱い部分であると認識していたCommunicationであり、人を引っ張るリーダーシップに関する知識をまず頭の中に入れて、それを実践することを強く自身へInputした。
また、自身がリードすつチームがProject横断的なチームであり、Projectの成功のためには必要不可欠なロールを担っているのだという認識の下、自分たちとしての方針であり、その方針に合致した基準であり、行動の手順というものを定義した。
自分に足りないインフラ周りの技術的なスキルを補うようなメンバーが欲しいというリクエストも添えた。自分がリーダーとして動く以上、自分が満たせないチームへの要件は、それを満たせるメンバーを入れる(もしくは自分が学習する)ことが必要だからだ。
リーダーというロール、そのチームのMissionというものに”わくわく”を覚えたことを覚えている。
当初はコーチとして上に1人、メンバーとして下に2人という構成でチームを立ち上げるということであったので、まずProjectの中で求められている成果物を確認し、上位のグループ、コーチと会話を重ねてWBSを作成した。
自分としてはこのチームは他チームに先立ってMissionを達成するためのガイドを作成し、それをチームへ浸透させてその実施状況をトラッキング+(必要に応じた)軌道修正支援をするPositionであると認識していた。なので、まずはProject全体における活動方針、成果物の目的と概要等の作成から入った。
その過程で自分はコーチのPerformanceに疑問を持った。Communication不足であったのかもしれない。コーチからそれほどアドバイスらしいアドバイスをもらうことはできず、自分でも知っている内容を話すか、自分の考えにただ賛同するばかりだった。生産的なディスカッションはあまりできていなかったと思う。GROWモデルを使ってProjectの状況と自分たちの活動を再確認してみても、彼は”良いと思います”と言うだけだった。
これに関しては2つの感情がある。1つは”甘えるな”という自分への感情、1つは”甘えるな”というコーチへの感情、だってコーチのコストは自分の2倍以上なのだから。
結局コーチはEarly Releaseとなった。費用対効果があまりに小さかったためだ。ただ、そのコーチと共に作業をした1ヶ月強の期間で、自分はそのProject、自分に任せられたロールに対してのCommitmentを失っていった。
コーチがいる2ヶ月(当初予定)のうちに自身で学習し、コーチのサポートを受けて方針等大枠は固め、あとはメンバーとのコミュニケーションパスを築く予定でいたが、それらがすべてできておらず、自分としてはQualityを保証できない中途半端な成果物がつくられていったからだ。そして、そのコーチに対してネガティブな感情を抱いていた自分は、それを修正するだけの力を出すことをしなかったからだ。すべてできていない、という言葉の通り、チームとのコミュニケーションは、むしろ中途半端な成果物を作成したために”疎”なものとなり、ただでさえチームに対して(品質を高めるための)負荷をかけるチームでありいくらかのやり取りがあるのに、最初の時点で信頼関係を築くことができなかった。
コーチがいなくなり、Commitしきれていない全体像を定義した成果物と、若くて優秀なメンバーが残った。
自分はメンバーの成長というものを大切にしたかった。自分の理想のリーダーに重なりたかった。当たり前であるが、目的にCommitし、それを達成するための適切な手段を考え、それを実装するためのスケジュールを引き、それらの過程でメンバーのチームワークへのCommitmentを高めながら、メンバーが成長するために必要な仕事を割り振るというのが簡単なところだ。メンバーへは目的、求めるアウトプット、そのために使える情報、期限を明確に話をして、あとは任せてアウトプットのレビューをしていく、という形式でチームを運営しようと考えていた。
しかし、自身がProjectでありチームのMissionにCommitしきれていない、”逃げ”ていると感じているときに、上記にあるような理想のリーダー像に重なることはできなかった。
意志の力は失われ、Motivationは下がっていた。
自分の手の届く範囲の作業を取りまとめ、作業レベルでメンバーへ渡し、必要に応じてアドバイスをしながら管理する、ただ管理の基本となるWBSにCommitしていないため曖昧な、雰囲気としての管理にとどまるという、典型的な×リーダーに自分は成り下がっていた。正確にはもともと理想のリーダーに100%重なることができていたわけではないが、重なろうという意志を失っていたのだ。
愚かしいリーダーとして自分は日々活動していた。